「落語ブーム」と言われるようになってから久しいですが、この頃は人気が定着してきているなと感じています。理由は二つ。
一つ目は、演芸場へのお客の入りがいい、と感じられること。私は、通勤途中の駅に池袋がありますから、時間があると「池袋演芸場」に足を運びます。池袋演芸場は100名も入れば満杯になってしまう定席演芸場ですが、この頃は私が行くときは50～70％以上の入りで、人気落語家がでるとなると、事前情報なしにフラリと寄席にでかけることが好きな自分は、入場できないことも経験するようになりました。
二つ目は、TVに落語を放送する番組ができたことです。有名なのにはご存じ「笑点」がありますが、今年前半「落語者」という番組が深夜にテレビ朝日で放送されて落語ファンの間で話題になりました。毎回一人の人気落語家が出演して、１席話し、後は「女子アナ」と対談という内容です。ネット落語も盛んです。
自分が若い頃に見てきた落語番組は、男性アナウンサーと枯れた感じの落語評論家が並んで登場し、落語家と演目の解説から始まるのが常でしたが、「落語者」は完全にバラエティ番組に仕立てられていました。落語家にインタビューする「美人女子アナ」は落語の知識はあまりないようでした（それでも相手をする落語家さんはまんざらでない様子でした）。番組全体の運びがまだぎこちないなと思っていたら、それもそのはず、あとで担当ディレクターが「番組を担当することになり寄席に初めて行きました」と新聞で書いているのを読みました。
今の落語ブームがホンモノどうかを見定めるに有効なのが「美人女子アナ」ではないかと思います。
現在日本に世の中で人気のある芸事やスポーツでは、必ず、当事者と美人女子アナが浮き名を流します。歌舞伎界のプリンスも、ついに「美人アナ」の狙い打ちを喰らい祝言をあげることになりました。
しかしながらあちこちの寄席に行きますが、美人女子アナらしき女性を見かけることはまずありませんし、落語家と美人女子アナの浮いた話もまったく耳にしません。落語家と美人女子アナの艶聞報道がないのは、自分をより輝かせてくれる存在としてまだ落語家さん達が、美人アナウンサー達のお眼鏡にかなっていないからかもしれません。
でも落語家と美人女子アナの艶聞が報じられるのも遠くない気がします。例えば「滝川クリステル、若手落語家と交際中！」なんて報道される日が来たら、落語人気も「ホンモノなった」といわれるようになるのかもしれません。漫才などお笑い芸人はすでにここをクリアしています。
しかし美人アナと結婚した落語家が「芝浜」をやっても、お客にうけないだろうなという気はします。
